うちの会社の決算日が3月31日で、決算日が12月31日の会社を、1月31日に取得してしまった場合。さあどうなる!うちの3月31日の連結決算!
監査をしていると、個人的には、昔、こんな感じの企業結合に当たるケースが多かったのですが、なんだか久しぶりにこれが話題になって、あ…整理が必要…。と思ったので整理しておきます。
まず、決算日がずれている子会社については、
- 子会社の決算日と連結決算日の差異が3か月を超えない場合には、子会社の正規の決算を基礎として連結決算を行うことができる。…(『連結財務諸表に関する会計基準』(注4))
という取扱いになっているので、新たに取得した子会社の決算日は12月31日のまま決算を行うものとします。
次に、みなし取得日ですが、
- 支配獲得日…が子会社の決算日以外の日である場合には、当該日の前後いずれかの決算日に支配獲得…が行われたものとみなして処理することができる。(『連結財務諸表に関する会計基準』(注5))
1月31日が支配獲得日なので、子会社の決算日の前後いずれかの決算日といえば、12月末(子会社の4Q)か3月末(子会社の1Q)がみなし取得日となります。
みなし取得日が12月末(子会社の4Q)の場合
親会社の3月末(親会社の4Q)は子会社の12月末(子会社の4Q)に対応します。みなし取得日が12月末の場合、12月末のBSのみを取込むこととなります。6月末(親会社の1Q)は、子会社の1QのBS・PLを取り込みます。
なお、みなし取得日12月末が親会社の3Q末にあたるので、親会社の3Q決算での取込が必要かどうかという点が問題がありますが、あくまでも1月31日の支配獲得日が取得の会計処理を行う日であり、みなし取得日は子会社の資産及び負債の評価をいつ時点のBSで行ったかということを示すものであるため、3Q決算での取込は必要ありません。
みなし取得日が3月末(子会社の1Q)の場合
親会社の3月末(親会社の4Q)は、みなし取得日に基づき、子会社の3月末(子会社の1Q)のBSを取り込みます。親会社の6月末(親会社の1Q)も、決算日がずれたまま連結するので、子会社の3月末(子会社の1Q)のBSを取り込みます。9月末(親会社の2Q)は、子会社の6月末(子会社の2Q)に対応するので、子会社の4月~6月のPLと6月末のBSを取り込みます。
余談ですが、最近、企業結合関係の注記を見ていると、みなし取得日が●月1日と記載されているケースがよくあります。『連結財務諸表に関する会計基準』(注5)に…当該日の前後いずれかの「決算日に」と記載されているため、なんとなーく、みなし取得日は●月末日になるような気がしてなかなか悩ましいのですが、PLの取込を意識しての1日なのでしょうか…。