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【税務】どうなる上場株式等の譲渡所得・配当所得の選べる課税方式

最終更新日:2022年04月06日

上場株式等の配当所得等については、総合課税・申告不要・申告分離と3つの課税方式があり、所得税と住民税に異なった課税方式を選択することができます。

住民税を総合課税とした場合には、国民健康保険の計算のベースとなる所得金額に上場株式等の配当所得等が含まれることとなるため、所得税で総合課税を選択していても、住民税は申告不要を選択した方が有利となることがあります。

令和2年度以前は、所得税と住民税で異なる課税方式を選択する場合には、所得税と住民税それぞれについて確定申告をする必要がありました。

所得税についてはe-taxで申告が済むのですが、住民税については、各市町村から申告書を取り寄せ、どうやって申告をしたら良いか問い合わせを行う必要があった点で、かなり工数がかかっていました。

令和3年度からは、所得税の確定申告書の「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」欄に〇をつけるのみで、住民税の申告不要を選択することができるようになったため、住民税の確定申告をする必要がなくなりました。

税金・健保の影響額を計算する煩雑さはありますが、住民税の確定申告をする必要がなくなった点で、かなり楽になりました。

住民税の課税方式が選べなくなる!?

こちらの税制ですが、今後は所得税と住民税の課税方式を一致させる方向に動きそうです。

以下、令和4年度税制改正大綱の内容です。

  • (地方税)
  • (1) 上場株式等の配当所得等に係る課税方式
  • ①個人住民税において、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の課税方式を所得税と一致させることとする。
  • ②上記①に伴い、次の措置を講ずる。
  • イ 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用要件が所得税と一致するよう規定の整備を行う。
  • ロ その他所要の措置を講ずる。

時期としては令和6年度分以降の住民税について適用される予定のようです。ただし、所要の経過措置も講じられる予定とのことで、徐々に移行していくのでしょうか。

住民税は所得税の所得計算をベースにしているものの、国と地方で異なる考え方があり、税額の計算方法が違う部分があります。上場株式等に係る所得計算についても、かなり昔から、所得税と住民税で異なる課税方式を選択できることが許容されてきた、ということのようです。

税金・健保の影響額を算出する際の場合分けが少なくなる点については歓迎しますが、実際の税負担を考えると、少し厳しい改正案かもしれません。

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