相続税の確定申告をするにあたり、被相続人が確定申告書を提出していたかどうか分からない…というケースがありました。竜ケ崎税務署にて、相続人の代理で被相続人の確定申告書の閲覧申請をしてきました。
税理士の閲覧申請については、税務代理権限証書と税理士の本人確認のみで委任状なしに閲覧申請ができるようになりました。が、被相続人の確定申告書の閲覧申請の場合には、どうすればいいのか…税務署員と事務運営指針を読みながら、頭をひねること2時間…結局、うーん…やっぱりちょっと書類が足りませんかね…ということで出直しになりました。運営指針を読み込んで行ったつもりなのですが、ちょっと甘かったようです。
運営指針を見てみると…
- (2) 閲覧申請者が代理人の場合
- 代理人による閲覧申請については、上記(1) に掲げる書類のいずれかの提示を求めて代理人本人であることを確認するとともに、次のイ~へに掲げる代理人の区分ごとに記載された書類のいずれかの提示…を求めて、代理人であることを確認する。
- さらに、…様式1ー3「委任状(税理士用)」の提出を求めて、申告書等を閲覧することについて納税者等から委任されている事実を確認する。
- …二 税理士
- 税理士証票とし、これを持参していない場合には、記章(バッジ)と運転免許証等の証票。
- (注)税理士…については、令和6年4月1日以降に提出された税務代理権限証書に申告書等の閲覧に係る委任事項が記載されている場合には、委任状及び印鑑証明書の提出は不要であることに留意する。
- また、委任状を提出する場合においては、印鑑証明書の提出は要しない。
- …(注3)死亡した個人が生前に提出した申告書等についての代理人からの閲覧申請は、相続人全員の委任状及び印鑑証明、死亡した個人と相続人全員の親族関係が把握できる相続関係証明書類の添付がある限り、当該申請書を閲覧に供する。…
税務代理権限証書に委任事項を書くことができたのかもしれませんが、相続人が被相続人の確定申告の閲覧請求をする場合に、税理士が相続人を代理する場合の書き方がよくわかりませんでした。
そこで、様式1ー3「委任状(税理士用)」の被相続人の住所・氏名を記載し、委任者として相続人の住所を記載してサインをいただいたものを提出しました。
委任状を提出する場合においては、印鑑証明書は不要とのことですので、押印及び相続人の印鑑証明はもらいませんでした。様式1-2「委任状(一般用)」には押印欄がありますが、様式1ー3「委任状(税理士用)」には押印欄がない、という工夫もしてあって、ここら辺はわかりやすかったです。
で、見落としていたのがこれです。相続関係証明書類の添付。
事務運営指針の第2ー4(1)(注5)に、相続関係証明書類の定義が書いてありました。
- (注5) 死亡した個人が生前に提出した申告書等については、相続人全員が来署し、全員の氏名が記載された閲覧申請書を提出した場合又は閲覧申請者以外の相続人全員の委任状及び印鑑証明書を持参した一部の相続人が閲覧申請書を提出した場合に限り、閲覧を認める。この場合、死亡した個人と相続人全員の親族関係が確認できる戸籍謄(抄)本又は…「法定相続情報一覧図の写し」であることの証明書(申請日前30日以内に発行されたものに限る。以下、併せて「相続関係証明書類」という。)の提出を求める。
こちらは、閲覧申請者が納税者の場合の項目ですが、戸籍謄本か法定相続情報一覧図の写しが必要であることが分かります。
自分が代理人だったので、完全に(1)を読み飛ばしてしまっていました。確かに、代理人が税理士の場合には、委任状や印鑑証明書はいらないけれども、相続関係証明書類として、戸籍謄本か法定相続情報一覧図の写しが必要だろう、という話になりました。
で、更に問題になったのは戸籍謄本の場合には、原本ではなく、コピーで対応できないかどうか…。e-taxで相続税の申告をしているので、戸籍謄本はpdfでいただいていて、紙の原本はいただいていないのです…。という話をしました。(運営指針を読んでいると、原本だろうなーということはわかるのですが)
税務署の人もちょっと困りながら、「うーーーん…やっぱり原本しかダメだと思いますよ…」(申告書等閲覧申請書の【税務署整理欄】を見ながら。)とのことでした。
結局、税理士が相続人の代理で被相続人の申告書等の閲覧請求をするために必要な書類は以下のようでした。
- □申告書等閲覧申請書
- □様式1-3「委任状(税理士用)」(税務代理権限証書の提出で代用可能?)
- □相続関係証明書類(戸籍謄(抄)本又は法定相続情報一覧図の写し(申請日前30日以内に発行されたものに限る。))